ザ・コンランショップさんへのQ&A
1. 今回オリジナルタイルを導入してくださったショップは、どのような空間でしょうか。空間自体のデザインコンセプトもありましたら合わせてお願いします。
イギリス発のホームファニシングショップのザ・コンランショップが、2023年11月に麻布台ヒルズという商業施設内にオープンしたザ・コンランショップ 東京店です。日本で7店舗目となる東京店は、約1300㎡という国内最大規模の広さで、初のレストランを併設したショップ空間です。ブランドロゴがグローバルで刷新したり、今年上陸30周年を迎える日本では、昨年から店舗ごとに個性を持たせるなど新たな取り組みが始まっています。「極上の日常」をテーマに掲げる東京店の空間のデザインやディテールを考えていくにあたっては、「fluid space(流動的な空間)」「robust(たくましさ)」「bold(だいたんさ)」「energetic(エネルギッシュ)」「light(光)」「clean(清潔さ)」「balanced(バランスのよい)」というワードを立てて進めていきました。
2. その空間内のどのような場所にタイルを使用していますか?また、さまざまな素材がある中で、タイルを使用することにしたのはなぜでしょうか。
お客さまとのコミュニケーションや、お会計対応を行うキャッシュカウンターとして、ショップの中央に2ヶ所設置したレセプションスペースのうちのひとつです。スペースの壁面すべてにタイルを使用しました。
このレセプションスペースの特徴的な壁面のアールを美しく見せるのに、タイルがとても適した素材だと思いました。
また、ザ・コンランショップ 東京店は、タイルの他にも左官(土)、木など時間を内包する素材で構成しています。タイルは建材としては定番のアイテムと言えますが、職人の手によって色も形も丁寧に作られたタイルは、「日常だけど特別、定番でも上質」といえるアイテムを厳選し紹介する東京点の空間を構成する素材にふさわしいと思いました。
3. オリジナルタイルをデザインする際に、特にこだわったポイントはどのような点でしょうか。
色やテクスチャー、目地の色までこだわりました。
4. タイルという素材にはどのようなイメージを持っていましたか?今回の制作で、タイルという素材について何か新たに発見したことや感じたこと、可能性などはありましたでしょうか。
タイルそのものの特性を引き出すことで、空間自体の魅力も高まると感じました。
5. 実際に、多治見でタイルを制作された感想をお聞かせください。多治見でタイルを製造することの良さ、ここがおもしろかった、驚かされたなど、もしお気づきの点があればお聞かせください。
タイルは焼き物なので、土を練って形にして焼き、一つ一つに違いやムラがあります。
そのことにこそ魅力があると思いました。タイルを製造している現場に伺ってみて、カタログやショールームでサンプルのピースを見るだけでは気づくことのできなかった作り手の試行錯誤が、唯一無二の価値を生み出していると感じました。
ザ・コンランショップ
1973年、テレンス・コンランがイギリス ロンドンにオープン、世界中から厳選した家具や照明、インテリアアイテム、ギフトに加え、オリジナルのアイテムも多く取り揃えるホームファニシングショップ。日本では、1994年に1号店を東京の新宿パークタワーにオープン。現在は世界5カ国で展開。2022年4月、中原慎一郎(ランドスケープ・プロダクツ ファウンダー)が代表取締役社長に就任。
2023年4月、ザ・コンランショップでは世界初のローカル編集、アジアにフォーカスをしたショップ「ザ・コンランショップ 代官山店」を、2023年11月24日、日本では7店舗目の最大規模となる「ザ・コンランショップ 東京店」をオープン。
2024年に日本上陸30周年を迎えるにあたり、同年10月から東京ステーションギャラリーにて展覧会「テレンス・コンランーモダン・ブリテンをデザインをする〔仮称〕」を開催。
edit. Nao Takegata / daily press
translate. Ben Davis
The Conran Shop 東京
2023
東京, 日本
ザ・コンランショップ
押出成形
使用面積 57m2
photo: Yuna Yagi